フッ素,光触媒塗料の真実を伝える




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フッ素,光触媒塗料の真実を伝える論文

最近タウンページ広告を見ていて、光触媒塗料やフッソ塗料
についてチョット誇大広告やな!と感じました。 

真実を伝える 塗替え成功請負人として
ペンキ職人
日本塗装技術協会の機関紙 『塗装工学』に掲載された
レポートを引用させていただきます。
塗装工学
フッソ塗料がメンテナンスフリーへの期待を裏切る結果に終わったこと

光触媒塗料は太陽光の当たりやすい 南面以外では 効果を期待できないこと

など ハウスメーカーのシンクタンクによる客観的なレポートです。
 


「住宅の品質確保促進法」が施行される時期と相まって
特に欧米を対象とした,住宅性能に関する規格や基準を
調査する機会があった。

その際、住宅の耐用年数に対する考え方が国によって
大きく異なり、改めて住文化の違いを再認識した。

 我が国の住宅は、歴史的に木造が主体であり、
経年と共に腐朽やシロアリによる食害を受けた場合には
適宜修繕されてきた経緯がある。

これは、使用された木材自体がそもそも耐久性に優れる
樹種であり、かつ太い(断面積が大きい)ことにより
表面的な劣化の間に補修されることで、構造的に支障を
きたすような断面欠損に至らなかったためである。

また、稀に断面欠損が生じても、その補修技術が確立
されており、震災を除けば耐久上致命的な損傷を披る
ことは無く
通常は火災による焼失か,文明の進展による陳腐化に
よって使用に耐えなくなって、取り壊され、
または建替えられてきた。

 しかし、1950年代半ば以降に建てられてきた
木造住宅の平均耐用年数は26年しかない。
 この間、住宅の主要構造部材は、木材に加えて鋼材や
鉄筋コンクリートが使われるようになり、耐久性を向上
させるために、鋼材の防錆塗装、コンクリートの防水/
仕上げ塗装が施され塗装の役割は大きく拡がった。

 一方、木造が主体である英国の住宅の平均耐用年数は
141年である。
日本の住宅より耐用年数が長い理由は、環境(劣化環境)
や法制度、あるいは住宅に対するメンテナンスの考え方の
違いが影響している。

表1に英国規格に規定されている建築物の設計耐久年数を示す。

表1 建築物の設計耐久年数の種類
区分 種類 建築物耐用年数
1 臨時 合意された期間 非恒久的現場小屋,臨時展示用建物
2 短期 最低10年間 臨時教室,短命工業生産建物,事務所改装,小売店,倉庫
3 中期 最低30年間 工業用建築物,住宅内装
4 通常 最低60年間 新設医療.教育用建物.新設住宅.公共建築物の高品質改修
5 長期 最低120年間 公的およびそのほかの高品質建築物

本報では、住宅のメンテナンスに関して
特に外装仕上げに着目して
住まいを永く快適に使うための考え方を述べる。

2.戸建て住宅と集合住宅
 日本の不動産は、民法や不動産登記法などにおいて
土地と建物は独立の不動産として扱われている。

そのため、土地と建物は分離された固有の財産と見なされ
土地本位であり、
土地に付随する建物の財産価値は構造区分などに応じて
築年数の経過により減損していくことは、良く知られている。
 
このことが、特に戸建て住宅における財産価値を土地のみに
してしまい、
総じて適切なメンテナンスの機会を奪う一因にもなっている。

 これが、いわゆるマンションと称される集合住宅になると
当然のことながら土地に対する意識は相対的に小さくなり
建物そのものへの関心が大きくなって、
修繕積み立て費や管理費を定期的に支出し、建物部位毎の
劣化程度に応じたメンテンスが行なわれている。

 しかしながら、このようなマンションにおいても25年以上
の長期修繕計画を策定している管理組合は、未だ全体の
約20%である。

ましてや戸建て住宅を購入した場合、
例えば毎月定額を将来のメンテンスのために積み立てて
おこうと考えている人は、極めて少ないのが現状ある。


      3.住宅外装の劣化
「住宅の品質確保促進法」では、住宅の耐用年数が適切な
メンテナンスを行なうことを前提に、3つの等級に区分
されている。

その最高等級である等級3の定める耐用年数は三世代、75
〜90年としている。
これは、従来の建築基準法に準拠した建物の耐用年数に
較べて、より耐用年数の長い高い品質の住宅建設を目指した
もので、主に構造体の物理的な劣化速度や部位による劣化
外力の作用程度に加えて、適切なメンテナンスを施すこと
による耐久性向上効果などを総合して試算され
規定されたものである。

 ここでいう劣化外力とは、表3に示すものであり
概ね気象因子にあたる。

これらは通常建物の外装部分(屋根、外壁、開口部など)に
直接的あるいは間接的に作用し、建物の外装材を劣化させる。

表3
 外装仕上げ材に作用する劣化外力
劣化外力の種類
幅  射 日光(紫外線)、放射線、熱
温  度 高温、低温、温度変化サイクル
固体(雪、水など)
液体(雨、結露、静水など)
気体(高い関係湿度など)
空気成分 酸素、オゾン、炭酸ガス
各種のガス(窒素や硫黄の酸化物)
大気汚染物質 ミスト(エアロソル、水に溶けた塩・酸・アルカリ)
粉状物質(砂、塵、埃など)
凍結融解

この外装材の劣化が進行すると、次第に外装材の裏面
さらには構造部材へと劣化外力が作用するようになり
建物全体の劣化が進む。

このような劣化外力は、温暖化やオソンホールの拡大
による紫外線量の増加などで明らかなように
近年特に外装仕上げ材の劣化をより促進させる一因に
なっている。

なお、建築外装仕上げ材の劣化現象の種類は表4に
示す通りであるが
経年と共に顕在化するこれらの劣化現象を定量的に
捉え、適切なメンテナンスを施し建物の耐久性を維持
するには、予め計画された耐久設計が不可欠である。


    4.外装仕上げの耐久設計

 建築における外装仕上げの耐久性能を評価するには
図1のよう
@実験・検証
A実態調査
Bエキスパート知見・情報
を総合した
「外装仕上げの耐用性・耐久性能データ」を基礎として
これを要求性能と関連づけて耐久性能データの有効性を
判定する必要がある。

次に耐久性能が適正に予測され、耐久設計が可能となる
外装仕上げの耐久設計は
耐久性能に係る要求性能の選定→目標耐用年数の設定
→耐用年数の推定→仕上げ仕様の決定→メンテナンス計画
が一体となることで確立される。


表4 劣化現象の種類と定義
劣化現象 定          義
汚 れ 塵埃、鉄さび、手あか、油脂等の付着、菌類、蘇苔類の繁殖により、通常の洗浄方法ではこ塗膜表面の色の色相・彩度または明度が変化する現象。
変 色 塗膜表面の色の色相・彩度または明度が変化する現象。
退 色 塗膜表面の色が、彩度が小さくなり、あるいはさらに明度が大きくなる現象。
変退色 「変色」と「退色」の混在。
光沢度低下 塗膜表面の光沢が低下すること。
白亜化 塗膜表面の劣化により、充填材が離脱しやすくなり、表面が粉末伏になる現象。チョーキングともいう。
磨 耗 塗膜表面の劣化、表面への外力等により塗膜厚が減少する現象。
割 れ 塗膜に裂け目ができる現象で、上塗り材の割れ、主材の割れに分けられる。 ・浅割れ checking ; 塗膜表面の浅い割れ(上塗材の割れ) ・深割れ cracking ; 下塗塗膜または披塗物が見える程度の深い割れ(主材の割れ)
ふくれ(浮き) 塗膜が気体、液体または腐食生成物などを含んで盛り上がる現象で、上塗材のふくれ、主材のふくれに分けられる。
剥がれ 塗膜が付着力を失って披塗物から離れる現象。・小剥がれ naking,chipping ・大剥がれ scaling
割れ、ふくれ、剥がれの混在 割れ、ふくれ、剥がれが混在している状態。
エフロレッセンス 下地の可溶成分が塗膜表面に折出し、空気中の炭酸ガス等との反応によって難溶性の白色物質が表面に沈着する現象。
クラック 下地(素地)の収縮などにより塗膜の下地がひびわれる現象。
住宅メーカーにおいては、住宅の外装仕上げを決定するに際し独自性を
出すために市販品を用いないで自社の外装材の要求性能を定め
それに最適な仕上げを採用すべく

塗料メーカーや樹脂メーカーなどと共同開発する場合が多くある
これにより同一性能を有する仕上げが全国に展開されることで
異なる地域環境や築年数に応じた耐久性能データを蓄積する
機会が多く、地域に適した外装仕上げ仕様を設定することも可能になった。
 
現在は、これらの積み重ねられた情報を基礎とした知見を踏まえて
独自のシミュレーションにより耐久性能を予測することで
外装仕上げの耐久設計に関する精度向上が図られている。


    5.外装仕上げの耐用年数

 外装仕上げ材の耐用年数は、
  Y=Yo×O×D×B×C×M
によって推定することが提案5)されている。ここに
Y:推定耐用年数
Yo=代表耐用年数、
O=塗装系固有係数
D=劣化外力係数
B=使用部位による係数
C=施工水準による係数、
M=維持保全水準による係数である。

 このフローを図2に示すが、建物の目標耐用
年数が規定されれば、それに応じた外装仕上げ
の耐用年数が推定され、メンテナンス計画を加
味することで目標とする建物の耐用年数を満足
する設計が可能となる。


     6.住宅外装材の仕上げ

 現代の住宅は、軒の出が少ないデザインが多く
総じて外壁への劣化外力の作用が大きくなっている。
 
住宅を長持ちさせるには
外装材(外壁)が大きなダメージを受ける前の補修し易い
劣化の段階でメンテナンスを施し、構遺脱体の劣化を防ぐ
ことが合理的である。

 住宅の外装材には、軽量モルタルや無機面材に現場塗装された
ものやプレコートされた窯業系サイディング材が用いられており
仕上げ材(塗膜)によって劣化外力が遮断されその保護作用で
耐久性が確保される。

 このような仕上げ材には、表5に示すようなグレードがあるが
昨今の住宅外装仕上げ材には
アクリルシリコン樹脂系やフッ素樹脂系塗料が多く使われるよう
になってきている。

 表6には年代別の住宅の外観を示すが、1970年代はモルタルに
塗装されたものが一般的であった。
80年代以降は急激に外装の乾式化か進み、サイディング材、ALC
あるいは住宅メーカーが独自に開発したオリジナル外装材など
多様化している。

 表の右側に示す住宅は、意匠性に富む大きな凹凸模様を施して
プレコートした先駆的な乾式外装材を使用している住宅であるが
時代と共に使用される仕上げ材種が変わり
現在はアクリルシリコン樹脂塗料が塗布されている。
将来的にはフッ素樹脂塗料、または無機塗料による仕上げが
成される予定である。

 なお、外装仕上げ材(塗膜)を開発する際に行う性能評価時の
判定基準は、耐久設計上最も重要である。
塗膜要求性能基準の一例を表7に示す。


  7.外装仕上げ材のメンテナンス

 7.1 住宅リフォームの市場

 2006年6月に施行された「住生活基本法」を機に
住宅は従来のスクラップ&ビルド型から脱却し
既存の住宅ストックを有効に活用する
リフォーム&リサイクル型の新たな展開が始まった
と考えられる。

 住宅のリフォーム市場規模は約7兆円であり

これに携わっている事業者は
@ハウスメーカー系
Aマンションデベロッパー系
B流通系
Cインフラ系
D専門工事系
E住設・建材メーカー系
F地域・地場産業系
Gリフォームフランチャイズ系
に区分される。

 例えばハウスメーカーやマンションデベロッパ一系
の事業者は、自社の物件を購入したオーナーサポート
を充実させる目的でリフォームを推進させ
表8のように年間数百億規模の売上げがあり
今後より一層の拡大が見込まれる。

 7.2 外装の塗替え

 住宅を長持ちさせ、予定された耐用年数を全うさせる
ための第一歩が外装の塗替え工事である。
この種の工事は
住宅リフォームエ事区分毎の工事件数と工事金額を見る
と全体の30%を超えるシェアを有している。

 表9は、住宅の耐用年数を60年と想定した場合の
メンテナンスサイクルの一例であるが
予め耐用年数の長い部材を用いることに加えて、
@日常の手入れ
A定期検査と劣化診断
Bメンテナンス工事を適宜実施することによって、
住宅に掛かるライフサイクルコストの低減も可能になる。


  8.メンテナンス用仕上げ材の課題

 8.1 水系・高耐候・低汚染

高耐候性塗料を代表するフッ素樹脂塗料で仕上げられた
建物の汚れが目立ち、大きく膨らんだ高耐候性塗料への
期待が縮んでしまったことがあった。

この汚れを防止する手法として光触媒塗料が注目されている。

 光触媒製品の応用分野には
大気浄化、防汚、脱臭、防曇、抗菌、浄水などがあり
近年特に開発が盛んになっている。

 建築における光触媒技術の採用事例には
@セルフクリーニング効果による汚れ防止
(タイル、ガラス、塗料など)
A臭気(VOC)分解効果による室内空気質向上
B抗菌・防カビ効果による衛生性向上
C超親水効果による外装冷却システム
D有害物質分解効果による水処理・土壌処理技術などがある。

 このうち、外装仕上げ材には汚れ防止塗料として
応用されているが、その効果が期待できる対象が不明確な
場合も多く、利用者の誤解を招くことがある。

 外装を汚染する物質には多くの種類があるが
光触媒によって防止できる汚れは、排気ガスや降下煤塵などの
有機物や一部のシーリング材からの油性成分や可塑剤の溶出時
に付着する有機物である。

一方、コンクリートやモルタルからのエフロレッセンスや
鋼材の腐食による錆び汁に対しては効果が期待できない。

 また、カビや藻などの生物汚れについては、量的な観点から
過大な効果を期待することが難しいため
防藻剤、防カビ剤、あるいは金属イオンを添加するなどの
他の技術との併用が不可欠である。

 光触媒塗料による汚れ防止は、太陽光と水(雨水)の作用
による超親水性により洗浄されるが、建物の形状や方位などに
よって太陽光と水の作用程度が異なるとその効果が発現する度
合いも異なることを十分認識しておく必要がある。

 そのため、例えば光触媒塗装を施したサイディング材を
使用する場合は、建物全面に採用せずに
南面にのみ採用し他の3面には撒水型の高耐候性塗料を塗布する
ことがある。現在の技術レベルを考慮すると、適材適所が
光触媒技術を使いこなすキーワードであろう。

 また塗料の水系化は、環境対応が求められる時代の最優先課題
であり、その進展には目覚しいものがある。
しかしながら、今後求められるであろう
20年、あるいは30年周期で塗り替えるレベルの性能には
至っていない。

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